小学5年生からの通塾でした。
中学受験をするかもしれないので「中学受験クラス」へ編入されました。全く中学受験の事を学習されていなかったので、ものすごくしんどい状況から半年ほど頑張られました。
しかしながら、中学受験の内容はとんでもなく難しい事。
現状の学力を考えると、高校受験で頑張りたいとのことで、小6の2学期から普通科のクラスへ編入。成績も上がり塾の公開模試でも偏差値55程度まで来ました。
それでも中1の初めての5教科の偏差値は50。。。(英語などが入り、中学生としての偏差値となると下がってしまうケースもございます)
「うちの子は、理解するのに時間がかかります。でも着実に頑張
れるようになってきているので、長い目で見てやって下さい」とお母さまの方から言っていただきました。少しづつ、そして徐々に学習姿勢を修正していただくことをご理解いただき、共に頑張ってきたことを思い出しました。
ここから、3年間かけて、学校の成績の上がり下がり。偏差値の上がり下がりがありながら、最終的に中3の秋の時点で五ツ木模試での偏差値が58程度。牧野高校ならば十分行けるけれども、「府立高専で理系へ」という思いが強く、不合格の可能性が半分程度ある状態で、最後の追い込みに突入しました。
ぱっと、偏差値が5程度上がる生徒さんもいます。
しかし、その場合の大部分は、「範囲の限定された模試(テスト)において、その範囲が得意だったから取れた」というケースがほとんどです。実力はそんなに簡単に変わらないですし、「いつどの範囲で受験しても」「中学3年間の全範囲になっても」取れる力が実力であり、総合的な力が、そんなに簡単に上がるというのはなかなかない事です。
ものすごい努力を1年や2年。受験学年だと半年程度死に物狂いで頑張って、偏差値を5上げるというのが、通常のパターンです。
「こんなに努力したから」と言っても、他の子も同じ努力をしていたら、偏差値は同じままです。
この夏100時間学習しても、中3生で進学塾に通っている方は「通常ひと夏約100時間学習」しますので、同じように努力していたのでは、目に見える偏差値アップは望めないことになります。
僕は、スポーツも、仕事も、資格取得なども全て一緒だと思っています。
「効率化が一番」
しかし、その効率化を、我が子の受験の時も目指しましたが、「効率化を目指すとざるで水をすくうように知識が定着しない」、では「じっくり丁寧に学習して定着させようとすると時間が足りない」。
このジレンマに陥ります。
(現時点で)力がない子の指導に効率化は難しく、一足飛びで「効率化」などという虫のいい話を捨てて、ひたすら努力する量の世界へと足を踏み入れることで「質」が身につきます。
できていないから、「効率化」と言いたくなる気持ちはわかりますが、
ピアノの演奏がうまくない状態で、どんなに密度の濃い2時間でトレーニングを終えたいと言っても無理です。ひたすら練習量を増やすことである一定レベルに来ることで、「野球選手のベテラン調整法」のように、量ではなく、密度の濃い質の高い練習で結果が出るようになると、僕は思っています。
O君も努力の人でした。
特に英語嫌いが激しく、他の教科と比べてとんでもなく非効率に思えるぐらい入っていきませんでした。
しかし、「こつこつちょっとずつやります」と言って、単語覚えから逃げることなく、中3になると速読英語も受講して量をこなすことも頑張りました。
いつも無料の自立学習教室にO君がいて勉強しており、
入試が終わって合格した日の夜に、塾へ勉強に来ていたことが驚きでもあり、さすが学志館生!彼こそMr.学志館!と言える、正に努力の人でした。
そんなに簡単に手に入らない。
僕も彼によく「簡単に手に入る物は、簡単に失うよ。本物を目指そうね。今はつらいと思うけど、正しい努力は裏切らない。必ず、逆転できるよ」と話したのを思い出しました。
確かに、ちょっと頑張ったら、パッと結果を出す才能豊かなお子さんがいることは認めます。本当にうらやましい限りです。
しかし、羨ましがっていても、僕のような普通の人間は、「努力することでその差を埋める事しかできない」。そこから逃げたら、負けっぱなしの人生だ。。。
そう思って僕も頑張ってきましたが、それによって、少しは天才に近づけたかなと思っています。O君は、今も努力を続けてくれています。継続は力なり。人との比較をやめて、今の自分を一歩でも超える努力を続ける事。それを塾で共に頑張ってまいりたいと思います。