本校のジュニアクラスの生徒さんと、田中先生の会話です。
「先生!ハリー・ケイン知らんの?!!!!」
(田)「ハリケーン?知ってるよ、あのタイフーンとかの意味やろ?」
(生徒)「ちゃうやん!ハリー・ケインやん。先生知らんの?」
そのやり取りを少し聞いていたのですが、「ハリー・ケインやん!」「ハリケーンやろ?」が繰り返され、おもしろかったです。
相手に伝わる国語力ですね。
「サッカー選手で、イングランド代表にハリー・ケインっていう選手がおるねん」と言ってくれればいいのですが。。。。(実は、僕もハリー・ケイン選手の事を知らず、最近始まったワールドカップを見ている中で、「ハリー・ケインっていう選手がおるやん!ハリケーンじゃなくてハリー・ケインやん!」とわかったのでした)
国語力が弱いと、「あれやん」など、言葉が出てきません。
昔いた生徒さんの事を思い出しました。
他の教科は良かったのですが、国語が苦手なIさん。
僕に対して、
「な~、先生。あれって、これやんな」と言いました。
「あれって、これやんなって。。。俺は、君の旦那か?あれの意味を、長年連れ添った仲なんだから察しろってことか?更に指示語2連発とか、高度すぎるやろ!」と皆で大笑いしたのを思い出しました。(名誉のために。Iさんは、その後メキメキと力をつけ、中学受験で第一志望の開明中学に無事合格しました)
さすがに本人も、「あれって、これやんなはないよね~」と笑っていましたが、日々「どのような言葉を使っているのか」がものすごく重要です。
ブリア・サヴァランというナポレオンの時代に生きた美食家の言葉を思い出しました。
「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人間であるかを言いあててみせよう」
同様に、塾の国語科の先生は思っています。
「その人の使う言葉のスピード、語彙力、表現力が、そのまま、その人の国語力の表れだ」と思っています。
是非、お子さんにどんどん話をさせてあげてください。
頭の回転の速いお父さんやお母さんが「それって、こういうことやんな」とか「あー、こういう事ね」など、言い換えたり、察してあげてはいけません。お子さんのセリフを取り上げていては、お子様の国語力は上がりません。
「ほら、あれやん。ほら、あれ」とか言い出しても耐えてください。
根気よく「あれって何?」と説明させてください。
誰にでもわかる説明となるよう、必ず、どういう意味か根気よく聞いてあげるか、大人が言い換えたのだとしたら、その言い換えた言葉を本人に言わせてください。その時に語順や、言葉の意味や、相手に伝わる言葉を覚えます。毎日のちょっとずつの積み重ねが「使いこなせる語彙力」につながると思います。