2020年の大学入試改革に先駆けて行われる英語教育の今を学ぶ研修に参加してきました。
・前倒しで行われる英語教育(2018年)
・4技能(読む・書く・聴く・話す」に対応する英語教育
・小学校の英語教育の現状
そして、今後、大学入試が変わる事によって、「高校での学習が変わる」→「高校入試が変わる」→「中学校が変わる」→「小学校英語教育がどう変わる」のか?を確認してまいりました。
特に興味深かったのは、現在中2生が高校受験する際の英語入試問題のサンプルをじっくりとみてきましたが、ここでも、以前ブログに書いた「合教科型(複数教科を学習・テストする)」の問題が多数出ている事です。その中でも、特に感じたのは「国語」の重要性です。
単純な文法事項を聞くような問題(ここにはofを入れるなど、覚えていれば良い問題)ではなく、英語の長文を読んだ上で、「その文章の題名として適切なものを選びなさい」など、英語のテストでありながら、問われている内容自体は国語のテスト=読み取りなのです。
今の中学生を指導していて特に感じますが、「空気を読む」「他人の意図を理解しようとする」「感じようとする」のではなく、「空気を読まない=自分さえよければいい」「自分の意見を主張する」「自分がどう感じるかで、他者を変えようとする」言動が目立ちます。勝手な判断で申し訳ないですが、厳しく注意する学校の先生も少なくなっているのではないかと思います。他者意識が著しく低いと感じます。
そして国語などの読み取りは、間違いなく「著者がどう感じたか」或いは、「作問者の意図」を感じ取れなければ正解しないという事です。
「僕はそう思いません」「それっておかしくないですか?」と問題作成者を批判する生徒さんが、毎年数名現れます。
作者の意図を理解した(答えられた)上で、自分の意見を言っているのではなく、単に「理解できない」「何言ってるのかわからない」「それっておかしい!」と批判するだけで思考が止まっているケースです。こうした生徒さんが多くなっているように感じますし、そうした生徒さんの国語の点数が低い事も、塾業界で働いている先生なら、皆感じている事だと思います。国語力は全ての教科の土台です。それは「語彙力・漢字力がある事」「ある一定以上のスピードで読める事」、「文法事項を理解している事(実は主語や述語なども、今の小学生はあまり学校で習っておらず、理解していません)」そして「心情理解」など、総合的な力が必要です。
そして、英語の文法では、「主語」と「動詞」がものすごく大切な意味を持ちます。中学1年生の後半から「英文法が難しくなる」「暗記ではなく、be動詞・一般動詞を見分けなければいけない」のにできないため、進行形など「be動詞+一般動詞ing」などになると大パニックを起こす生徒さんが多い事もはっきりとデータ(ベネッセさん調べ)で出ております。
そして「単語が答えられたら正解する」「丸暗記したらそのまま出る」というテスト自体が今後、減っていく事を考えると、学習のあり方も激変するものと思われます。
我々学志館も、クラス授業であっても「国語」は前に呼んで一人一人に対応する時間を持とうと努力しています。
それは国語だけは「暗記すれば答えられる」という科目ではなく、「その生徒さんがどこでつまずいているのかが一人一人違う」或いは「判断しづらい」ためです。よくお話しするのは「15文字で答えなさい」という問題に対して「大きく(30文字程度で)ここかな?とはわかるが、15文字に要約できない生徒さん」と「単語でここ!とは言えるが、15文字にふくらます事が出来ない生徒さん」への指導が同じであるはずがありません。しかし、1問につき、全パターンを指導していると、時間がいくらあっても足りません。必然的に、1パターンの解法を授業で紹介するにとどまります=生徒さんのつまずきに合っていなければ意味がないということになり、なかなか結果が出にくいと考えています。こうした国語力の養成には、時間がかかります。すぐには結果が見えませんが、「継続して」努力し続けていないと、後でとんでもない状態となり、「数学・理科の文章題」「新学力観と呼ばれた国語的に答えさせられる問題」に、なかなか対応できなくなります。「どうして数学の文章題が苦手でできないんでしょうか?」と聞かれ、「国語力が」とお話ししても、なかなか理解を頂けないのが現状です。しかし、国語力は、やはり学習の一番の土台です。頑張って学習する事をお勧めいたします。塾でも、より一人一人に対応した指導を心がけてまいりたいと考えております。