この本、本当に面白かったです。
しっかりとした検証、具体的な例、そして、理系である著者が「読解力」の大切さを訴える事の意味、そして何より、
読解力を高める方法は現時点では、明確ではないが、「教科書をしっかりと読めない子供達」の検証を依頼した学校の先生の中から、自ら実験に加わった学校の先生が指導する生徒の読解力が上がった事=指導者側の意識が変わり、「どうすれば、この子たちを救えるのか」と真剣に考え行動した先生たちがいると子供達の未来が変わった事。
塾でも本当に読み取りができない子が増えています。
そして本書にあるように15歳までに、その能力を磨くことが有効的であるとあるように、読解力がつかないと、最終的には他の教科も応用問題になると全く手が出なくなります。
僕は指導する時、よく、問題文を本人に読ませますが、こんなことが起きます。
「先生わかりません」
「お!どの問題で、なんて書いてある?」
「えーっと2番の1の問題で、先生はなぜ怒ったと思いますか?と書いてあります」
「そうか、じゃあ、先生怒ったんやろ?どこに書いてあった?」
「ここです。読みました」
「じゃあ、そこになんで怒ったか、なんて書いてあった?」
「あ!わかりました。ありがとうございます」
ありがとうございますとお礼を言われますが、僕は全く教えていません。
そうです。
読んでいないだけですし、僕はさらに、「分からない言葉があったら文意は読み取れない。分からない言葉、読めない漢字は必ず聞いてね」と言います。
このような直接理由や答えにあたる部分がすぐ近くに書かれてあるのが一番レベルの低い問題ですが、それを探すのが最初のトレーニングです。
偏差値が55近くになってくると、問題文の前後ではなく、長い文章の最初や最後など、全然違う場所に書いてある答えを探す問題に挑戦。
偏差値が60を超えてくる難関校に近づいてくると、そもそも直接的に答えが書いていない=言葉や表現から読み取るということが必要となる問題が増えてきます。このレベルになってくると正に、塾の読み取り指導の技が必要となってきます。洛星や大阪星光など難関校の国語は良問が多いです。そして難しく、大人な読解力が必要となります。
そして、理社の暗記物のように「答えを覚えればいい」という問題ではありませんし、算数、数学のように解き方を教えてもらったら同じ方法で解けるというものでもありません。国語の文章題は、人が個別で対応すべきだと思っていますし、可能な限り第5教室(無料に学び道場)で担当者が一人一人に指導してまいります。
答え見て終わりなんていう宿題勉強は絶対に禁止です。一緒に塾で頑張ろうね。